阪神9巡目玉置いきなりコンバート

 サプライズは15歳辻本だけじゃない。岡田阪神のドラフトは仰天指名の連続だった。9巡目の玉置隆投手(18=市和歌山商)は、高校では投手と左翼の経験しかないが、内野手として育成する方針であることが分かった。10巡目には高校中退経験のある水落暢明投手(19=信太)をピックアップ。能見、岡崎の即戦力バッテリーで固めた自由獲得枠を含めて、計9選手を指名した。

 投手と外野の経験しかないのに、内野手転向する。阪神9巡目の玉置隆投手がいきなり内野手にコンバートされる可能性が高くなった。高校時代はエースで大差がついた時にレフトを守る程度。だが、阪神は、野手としての潜在能力に目をつけていた。

 高校通算打率は4割強、5本塁打。50メートル走5秒9。遠投110メートル超。その潜在能力を知る真鍋監督は「もし野手にということならショートタイプ」と、遊撃手としての可能性を認めた。すでに玉置本人にも間接的にコンバートが伝わっており「自分を評価してくれるなら、そこにいって勝負したい。赤星さんに走塁もバッティングのことも聞きたい」と前向きだった。

 7歳の時に、父親好美さん(享年33歳)を交通事故で亡くした。「いまどきの子と違ってぜいたくを知らない子です。道具が古くなっても、ユニホームが破れても欲しいと言わない。与えられた道具を大切にした。女手ひとつで育てられたから、なんとか夢をかなえてやりたかった」(真鍋監督)。進学の選択肢は玉置の頭になく、プロから声が掛からなければ内定していた新日鉄広畑に就職するつもりだった。少しでも早く母親を楽にさせたいという強い思いからだ。

 母親光恵さん(45)は「夢がかなった。おめでとうと言いました」とホロリ…。その視線の先にいた息子は「(阪神には)待っていただける限り、時間を掛けて力をつけて上にいきたい」と、目を輝かせた。【寺尾博和】

やっぱりネタ要員だ。でも、いきなりコンバートっていうのは珍しくも無いけど。